2023.5.31. 近頃よく耳にする「筋膜ってなにもの?」その1
鍼灸の学校を卒業したのは気が遠くなる程前のこと。
その時は「筋肉のはたらきは関節を動かし体幹を維持する」と習いました。
だとしたら「筋肉はゴム紐のように自在に伸縮するのでしょうかか?」
いや、そんなはずがありません。
ところがその週十年後「Fascia(ファシア)」という言葉を耳にしました。
その「Fascia(ファシア)」とは一体何者なのでしょうか?
Fascia(ファシア)というのは膜のことです。
例えば、目なら「網膜・角膜」、消化器なら「胃腸や食道の粘膜」、骨には「骨膜」、関節に来ると「滑膜」そして筋肉には「筋膜」など。
身体の構造を見ていくと必ず「膜」という単語に当たります。
ヒトだけではなく動物も同様です。更に小さな単位で言えばミジンコのような目に見えない生物もこの「膜」で包まれ生命を営んでいます。
中でも最近良く話題に取り上げられている「筋膜」
今回はその「筋膜のあらまし」でお付き合い頂きます。
その膜が身体のバランスを取り姿勢を維持していています。
さて、いきなりですが下のイラストは筋肉の断面を表したものです。
このように筋肉は無数の筋繊維が束を作ります。
この束を筋束とよび、筋束が束になり一つの筋肉を構成します。
よ~く見ると筋繊維も筋束も筋肉の外面も「筋膜」という膜で覆われていることに気づきます。
堅苦しい話になりましたが、例えば「グレ-プフル-ツの断面」を想像しましょう。
グレ-プフル-ツは一つ一つ の実が集まり一つの袋を作ります。
その袋が集まってこのような断面を形成します。
同様に筋肉も細胞という小さな単位から外装の表面に至るまで全ての単位で膜に覆われています。
さてその筋膜、実は殆どの方が日常生活の中で実物を目にし触れているのをご存知でしょうか?
そうです、ス-パ-の陳列棚に並んでいるお肉です。
筋膜は肉と肉との間にある「白い膜」や「鶏肉の表面にある黄色の膜」のことを指します。力任せに剝がそうとしても容易に剥がれません。
このように筋膜は水分を帯び柔軟で簡単に剥がすことが出来ない頑丈な構造になっています。
筋膜は全身の動きを円滑にし身体のバランスを整えます
ここでざっくりと今日のポイント!筋膜の働きをまとめてみましょう!
・筋膜は互いにネットワ-クを形成し、筋肉間を滑走し関節を動かします。歩いたり、走ったり、字を書き、食べたものを咀嚼したり出来るのは筋肉と筋膜の絶妙な連携プレーの成せる技なのです。
・全身を包み姿勢を保持しています。
・筋膜は柔軟性に富むため筋肉と筋肉の間を交通する血管や神経、リンパ管を支え保護する役割も持ち合わせています。
筋膜のネットワ-クと筋肉が連動しこういうことまで出来ちゃうんです!
これはほんの一部。まだまだ書き足らないことばかり。
そこで動画を用意致しました。
この中に多々聞き慣れない用語が出てきますが流して頂きイメ-ジをしながらご覧頂ければ十分です。
ところで「様々な理由で筋膜の滑走が十分に出来なくなったら?」という少し突っ込んだ話題は次回のお楽しみということで!
ではまたお会いしましょう(^^)
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